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授業でコンピュータを利用することに抵抗感をあらわす教師がいる.たしかに,これまで教育に必要なかったもの(メディア)であるし,コンピュータを取り入れた授業を行うための準備時間や新たにコンピュータについて教える授業時間を取るゆとりなどないという意見もあるだろう.また,子供の方がコンピュータに詳しいこともあり,子供に質問されたときのことを不安に思うことも理由の一つになっていると思われる.
しかし,コンピュータを活用することで,教育効果を高めることができると期待されている.また,これからの社会においてコンピュータを利用することは,本を読んだり,計算をしたり,お金でモノを買ったりすることと並んで,あたりまえの活動になる.つまり,子供たちも少なくとも将来にはコンピュータと接することになるわけである.これらのことから,学習指導要領でも,次のようにコンピュータを児童・生徒に親しませることや,授業で活用することを求めている.
テレビやビデオが普及したときに,視聴覚教育として積極的に取り上げられた時期があった.コンピュータも普及が進み,この時期に来たということである.ただ,コンピュータの普及速度があまりにも速いこと,コンピュータでできることがあまりにも多彩,つまり,可能性と危険性に富んでいることから,テレビやビデオなどの近年登場してきたメディアに比べて,その教育利用と利用の仕方に関する教育が盛んに叫ばれているのである.
さて,コンピュータを活用する能力は情報社会で生きていくために必要な力の一つである情報活用能力のほんの一部である.ときどき,情報教育=コンピュータ利用能力の育成と考えられることがあるが,これはあきらかに間違いである.また,メディアリテラシーに含まれる一要素でもある.コンピュータが使えることは必要条件ではあるが,十分条件ではない.ただし,本稿では焦点を絞るためにコンピュータ活用能力に限定して述べていく.